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朝日新聞1990年5月5日
教育里親公募第二回目
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----- 以下掲載記事全文
《月2000円、アジアの子が進学できる》
-「教育里親を募集」 東京の交流団体-
日本の子供たちは高校進学が当たり前になっているが、
スリランカ、インドネシアなどでは、
成績は優秀でも学費が続かず、
中、高校の卒業試験を受けられない子どもが多い。
「そんな子たちのために、月2000円の学費を3年間負担する
『教育里親』になってもらえませんか」
と、東京都三鷹市に本部を置く教育文化交流推進委員会
(略称CPI・小西菊文代表)が呼びかけている。
ひと筋の光が子どもたちには生涯忘れられないものになるうえ、
日本との交流ひいては世界平和に結びつく、と。
5日はこどもの日。
小西さんの話では、スリランカは人口1700万弱。
義務教育ではないが、日本の小学校から高校に当たる13年生
までに、約300万人が学び、識字率も約90%の高率という。
学校には日本円で年間600円に施設費を払えばよいことに
なっているものの、ほかに制服、文房具、バス代、特別授業料など、
1年に最低1万円の費用が必要で、払えない家庭も多い。
貧しい家庭の子弟は、先輩の教科書をもらったり、バス代を節約、
片道2時間歩いて通学するなど出費を切りつめても、
7年生に進むのが精いっぱい。
C.P.I.はその中で、才能のある生徒約1000人を対象に、
月2000円の学費を支給、
8年生から卒業までの間、補習学級なども含む完全援助をする
有志に呼びかけを始めた。
昨年は全国から約7000人の応募があったが、
「里親は氏名を明らかにし、特定の子どもの学費を3年間ずつ、
責任を持って負担する」という条件を示すと、
約6500人が辞退。
氏名を明らかにした特定の里親がいることで、
子供たちの日本・日本人への関心も違って来るのだが、
「たいしたことをするわけでもないのに照れくさい」
「個人的なつながりができるのはわずらわしい」という理由らしい。
先に現地調査して里子を決めてあったため、
小西さん個人が約300人分を自分で肩代わりしている。
フリーの映像ディレクターでもある小西さんは、
数年前、スリランカ出身の僧が10人ぐらいの子に奨学金を送る
活動に協力、支援規模を拡大しようと、世話役を買って出た。
C.P.I.の活動には大学教授らも参加、
現地の子供たちから届いた手紙を留学生に翻訳してもらい、
里親に送るなどしている。
最近はインドネシアの子にも里親150人の出資で援助を始めた。
同会は「外国に子供や孫がいると思ってぜひご支援を」と訴えている。